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〒314-0031 茨城県鹿嶋市宮中7丁目10-7

園長コラムcolumn

ともにつむぎだす 〜希望の中で〜


遊びを通して成長する
 年度末を迎え、年長さんには最後の園スケジュールになりました。

 鹿島幼稚園を卒園して大学生になって、最先端の科学を研究しているという子が「僕は園にいたときはズーッと遊んでいました。」と話してくれたことがありました。鹿島幼稚園のスタッフは、子どもと「遊んであげよう」という発想ではなく、真剣に遊ぶ子どもたちと真剣に向かい合うという姿勢で子どもたちを見守っています。友だちと一所懸命遊んだ経験は、子どもたちを大きく成長させる力となります。遊びは、人に「遊ばせてもらう」のではなく、自ら「遊ぶ」ことで、活き活きとした経験となります。楽しい遊びを展開している子どものそばにいて、思わずその遊びに吸い込まれて、子どもたちの世界が更に大きく広げられるというのも、遊びを通して成長する世界の特徴です。
        
 現代社会では、大人と子どもの世界の境界線が消えて、時に、大人の価値観が子どもに押しつけられるということも起こってしまうようです。大人の価値観が一方的に子どもに押しつけられてしまったりすると、子どもはそこに自分を当てはめることに精一杯となってしまいます。そうなると、気持ちと体を目一杯に使った遊びは展開できず、常に大人が気になり、良い子でいるために、自分の心を閉ざしてしまうということも起こりかねないのです。
        
 鹿島幼稚園は、子どもたちが自分の心を素直に伸び伸びと表現できる世界を大切にしています。そのために、子どもの心の動きを感じて、必要な時にはサポートします。この一年、多くの愛を受けつつ、遊びを通して心も体も大きく成長した子どもたちは、春から、力強い一歩を踏み出します。
        
 (一年間お読み頂き、ありがとうございました。園長:大塚 愼)
        
                               【2024年3月】
信頼
 東日本大震災で起きた原発事故の問題も未だ解決途中である中、能登で大地震が起きてしまいました。被災者の方々の上に、神様のお守りを祈ると共に、支援への協力を続けていきたいと思います。

 先日、鹿島幼稚園でも、地震を想定した合同避難訓練を行ないましたが、今後も、大切な命を守るために、安心安全な保育を日々重ねていきたいと思います。
        
 鹿島幼稚園が行なっているキリスト教保育は、「子どもたちは、神様から命を与えられ、愛されているかけがえのない存在であり、その個性と人格をありのままに受け止め、尊重すること」を第一としています。
        
 その根底には、子どもたちを守り、育んでくださる神様への「信頼」があります。
        
 つまり、キリスト教保育とは、一言で言うなら、子どもを信頼するという保育なのです。
        
 子どもを守り、愛してくださる神様を信頼し、その愛によって成長していく子どもたちを信頼して、子どもたちの主体性を尊重し、子どもが自立できるよう支え、励ますのが鹿島幼稚園の保育です。
        
 鹿島幼稚園で過ごす子どもたちは、周りの大人や友だちの信頼を受けつつ、自分も他者を信頼して豊かな人間関係を育みながら、やがて来る春に、力強くステップアップしていくのです。
        
                               【2024年2月】
子どもの叱り方
 あけまして、おめでとうございます。

 二〇二四年も、鹿島幼稚園に連なる各ご家庭の皆様にとって、喜びあふれる年となりますようお祈りいたします。クリスマスには、年長さんのステキなページェントを始め、それぞれの学年で喜びの時が与えられ、クリスマスの恵みに満たされた年末年始を過ごせました。また、教会との合同バザーでも、子どもたちの笑顔あふれる楽しい時が与えられました。父母の会役員をはじめ、保護者の皆様に大きなご協力をいただきましたことを感謝いたします。
        
 聖書には、博士たちが、幼な子イエスの誕生を御祝いするために訪ねた日、幼な子の居場所を指し示す星を見て「喜びにあふれた」と記されています。
        
 昨年も、世界各地で、戦争のために小さな命が脅かされました。被災者の上に、神様のお守りをお祈りします。小さな命を支援するため、クリスマス献金から協力をさせていただきました。子どもたちの命が守られ、一日も早く、平和解決がなされるようお祈りします。
        
 遠く離れたこの鹿嶋に生きる子どもたちも、これから長い人生を生きていく中では、多くの喜びもあり、ときには心痛む出来事に出遭う事が有るかもしれません。しかし、その度に、年長さんのステキなページェントでも演じられた、博士たちを喜びにあふれさせた何よりも大きな救いである、イエスさまがそばで守っていてくださるという希望にあふれて、新しい年も、子どもたちと共に、元気に楽しく日々を過ごして行きたいと思います。
        
                               【2024年1月】
希望を伝えるクリスマス
 クリスマスのシーズンに入りました。この時季には、街中がクリスマスに包まれます。デパートや商店街には、豪華なプレゼントが見事に陳列され、いろんなところで、クリスマスパーティーが開かれたりもします。

 それでは、鹿島幼稚園ではどの様なクリスマスを迎えようとしているのでしょうか。
        
 クリスマスは、喜びに満ちた時です。この喜びはイエス様の誕生から出発しています。誕生の場にいた人々が、イエス様誕生の場面に接して、神様の愛のぬくもりが順に伝わり、今の私達まで届いているのです。ただし聖書は、イエス様が生まれたのは、貧しい馬小屋だったと伝えています。イエス様は、神の子ですから、立派な神殿でも良かったはずなのに、何故、馬小屋に生まれたのでしょうか?それは、イエス様が、当時の権力者、支配者のためではなく、小さく弱くされていた人々に希望を与えるためにお生まれになったからです。
        
 鹿島幼稚園でもクリスマスを喜ぶ時を持とうとしています。しかし、クリスマ スになったから特別なことをするのではありません。競争原理が渦巻き、弱者が排除されるような「寒い」世界に、神様の深い愛による希望が、あの馬小屋から届けられるクリスマス。子どもたちは、クリスマを迎えて、心身共に温まる恵みを友達と一緒に喜ぶ時を過ごします。年長さん達は、鹿島幼稚園で過ごす最後のクリスマスとなりますが、ページェントの希望あふれる劇を通して、それぞれの成長した姿を見せてくれるのです。
        
                               【2023年12月】
輝く命
 カーニバルの際には、多数の保護者の皆様にお集まりいただき、ありがとうございました。天候にも恵まれ、新たに整備された、広いにじのお庭で、親子プログラムにもご参加戴き、赤ちゃんから、おじいさんおばあさんまで、幅広い年齢の皆さんの笑顔が溢れる、嬉しい時となりました。

 笑顔の中心には、子どもたちの「輝く命」があります。
        
 キリスト教保育を実践する鹿島幼稚園を支えるのは、神様の愛です。聖書には、イエス様によって、人間は永遠に神に愛される者とされたと記されていますが、神様の愛は、生まれたときから、降り注がれ、それは天国までも続きます。
        
 実りの秋を迎えて、鹿島幼稚園の子どもたちは、神様の愛に守られつつ、大きな成長を続けています。ご家族と共に、命を輝かせながら過ごしている子どもたちのそばで、日々の成長を見守り続けていきたいと思います。
        
                               【2023年11月】
あきのこどもカーニバル
 今年の鹿島幼稚園カーニバルのテーマは、「あきのこどもカーニバル」です。

 多くの皆様のお祈り、お支えにより新たに完成した広い園庭「にじのお庭」で、コロナ以降、久しぶりに1日の全園のプログラムとして開催できますことを心より感謝します。
        
 鹿島幼稚園では、運動会という言葉を使わず「カーニバル」と呼んでいるのですが、それは、競争ではなく、子どもたちがそれぞれ成長した体を一杯動かして、成長の喜びを楽しく分かち合うお祭りとしたいという願いからです。
        
 運動の祭典というとオリンピックがありますが、私は、オリンピック終了後に開催されたパラリンピックにも感動しました。その中に、ゴールボールという競技があります。ゴールボールとは、3人対3人で、目隠しをしながら鈴の入ったボールを転がして、ゴールに入れることで得点する視覚障がい者の球技で、第2次世界大戦で傷を負った兵士のリハビリテーションとして考案されたという歴史があって、ヨーロッパでは盛んに行われているそうです。目に見えない相手選手の足音や、かすかな鈴の音を頼りにシュートを防ぐためには、大変な努力が必要だと思います。3人で力を合わせてゴールを守るには、絶妙なチームワークも必要です。日常生活の中でもおそらく数多くの苦難を乗り越えてこられたであろう選手たちが勝利の瞬間に流す涙は美しく、清々しい感動を受けました。まさに、平和の祭典、オリンピックにふさわしい種目だと思います。
        
 世界各地で戦争が絶えない現実がある中、鹿島幼稚園の小さな子ども達の元気な笑顔は平和実現に向けての大きな希望です。カーニバルでも、神様に愛されつつ、日々育まれている一人一人が、一緒に身体を動かし心を豊かにされ、心から喜び合える恵みの時を過ごしたいと願っています。
        
                               【2023年10月】
滅びないもの
 一号認定児のみなさんは、長い夏休みが終わり、秋期保育が始まりました。皆さんはどんな夏休みを過ごされたでしょうか。子どもたちは皆、それぞれの経験を糧に、さらに成長したことでしょう。

 今年の夏休みも、台風が襲ってきたりして、全国各地で大変な水害に襲われました。被害に合われた方々に、神様のお守りを心よりお祈りします。鹿島幼稚園では、災害に備えて、耐震工事を行なったり、自家発電機を設置したりして備えていますが、先月は、子どもたちやスタッフの長年の願いでもあった、にじのお庭の拡張工事も無事完了しました。保護者有志の皆様にも、物心両面に渡ってご協力戴いてきたおかげであることを心より感謝いたします。今後も子どもたちが安全に、快適に園生活を送れるよう、随時、環境整備を行っていきたいと考えています。
        
 近年は、異常気象によって世界各地で建造物が倒壊するなどの被害が出ていますが、洪水によっても、何が起きても失うことのないものがあると聖書は教えてくれています。それは、永遠に消えることの無い神様の愛です。変わることの無い愛に、子ども達は、守られ、育まれているのです。
        
                               【2023年9月】
子どもたちに平和を
 一号・未認定児のみんなは夏休みとなります。2号・3号認定児のみんなも、夏ならではのプログラムを楽しみながら、元気一杯に鹿島幼稚園の八月を過ごしていきたいと思います。

 八月は、広島、長崎に原爆が投下され、十五日に敗戦を迎えたという記念の月です。子どもたちに平和を伝えていく大切なときでもあります。ウクライナの子どもたちにも、一日も早く平和な日が訪れることを祈りたいと思います。
        
 鹿島幼稚園では、子ども同志の世界を尊重する方針を大切にしています。例えば、子ども達は時に、自分の主張を貫くために、友達と喧嘩もします。但し、子ども達の喧嘩は、仲が良い関係の中で生じます。夢中になって遊んでいれば、当然、お互いが自己主張をするので喧嘩も起こるのです。しかし大抵は、大人が仲裁しようかと身構える間も無く、ケロッとして一緒に遊び出すものなのです。下手に大人が間に入ると「どちらが先に手を出したの?」「どちらが悪いの?」と「裁判官」になってしまうのです。子ども達は、喧嘩をすると同時に、壊れてしまった友達との関係を修復する力を持っています。大人は、そこを信頼して、怪我等の危険性が無い限り、見守りながら、できるだけ口も手も出さないことが、その子どもの人間性を認め、その子どもを一人の人間として愛し、成長させることに繋がるのです。大人との関係が強すぎると、そういった、子どもが本来発揮出来る可能性のある力を奪ってしまうことになり、子ども同士が対等の関係を楽しむ力を弱めてしまうことにもなるのです。
        
 平和は、上からの圧力によっては決して実現しないということ、そして、平和の特徴は、何より弱い者が喜んで生きることができる世界だという原点を親子の関係の中でも実感しながらこの夏を過ごしていただければと願います。
        
                               【2023年8月】
ことばを大切に
 鹿島幼稚園では、保護者向けに「メール配信サービス」を利用していて、登録していただくと園からの「お知らせメール」が届きます。一斉メール発信サービスというのは便利なサービスなので、子どもたちが園で楽しく過ごせるよう、今後も活用していきたいと思います。

 一方で、ネット社会を迎えている中では、最近「SNSの功罪」といった問題もよく取り上げられています。
        
 尾木ママこと、教育評論家の尾木直樹さんは、著書『「ケータイ・ネット時代」の子育て論』(新日本出版社)の中で、「インターネットやケータイを悪用した学校における『いじめ』や『学校裏サイト』、『チェーンメール』『前略プロフィール(プロフ)』による嫌がらせ、友達間のトラブルが日増しに増えています。これらネットトラブルは子どもたちの友達関係を壊すだけでなく、人間への不信感を植え付け相手を傷つける事件や事故に発展しかねないほど危険に満ちています。」と述べておられます。
        
 本来、微妙なニュアンスが難しい日本語なのに、相手の顔が見えないメールでは、言葉だけが独り歩きしてしまい、無用なトラブルに見舞われかねないというのは、子どもの世界だけの話ではなくなっています。
        
 やはり、コミュニケーションというのは、相手の表情を見ながら、「生の声」を聴いてなされるべきなのでしょう。子どもたちも、そのようにして、他者との関わりを深めながら成長すべきなのです。今後も、子ども同士、保護者の皆様、スタッフ一同との豊かな「ことば」によるコミュニケーションを大切にしながら、互いに豊かな関係を形成していきたいと願います。
        
                               【2023年7月】
神の園
 聖書の中で、一番最初の『創世記』には、神が最初の人を楽園、「エデン」に住まわせたという神の園、「エデンの園」のお話しが書かれています。

 鹿島幼稚園は、鹿島にまだ開発の始まらない頃、鹿嶋市が「鹿島郡鹿島町」であった当時、この地には幼稚園が無く、「鹿島の子どもたちに楽園を」というビジョンに燃えた鹿島教会によって鹿嶋で最初の幼稚園として創設されました。
        
 以来、鹿島幼稚園の子ども達は、日々、神様の愛に守られながら、神様に与えられた「神の園」である楽園に生きる恵みをたっぷり受けて、喜びの日々を送っています。特に、これから夏へと向かう中では、気候の移り変わりと共に、遊びのバリエーションも増えて、活動の幅も拡がります。
        
 最近、「これは、カメムシじゃなくてかみきりだよ。」とかごに入れた虫のことを嬉しそうに教えてくれた男の子がいました。「園長先生〜、これ見て。」と、園庭で見つけた小さな貝殻を手のひらで大事そうに包みながら見せてくれた女の子もいました。
        
 春にスタートしたそれぞれの新しい歩みが、夏の草花や虫たちを「発見」したり、お友達との交わりも深めながら、更にゆかたな一歩となるよう見守っていきたいと思います。
        
                               【2023年6月】
「遊ぶ」力
 世界で最も教育が進んでいると言われている国は、オランダです。オランダの学校には、時間割も無く、日本のような学年も無く、子ども達が、学ぶことを自分で考え、縦割りのクラスでは、年長者が年少者に勉強を教えているそうです。そこでは、自分で考える力が養われ、オランダの社会を形作っていく「大人」としての力が養われています。

 鹿島幼稚園も、認定こども園なので、幅広い年齢の子どもたちが集い、豊かな交わりを持ちながら、日々過ごしています。
        
 園が大事にしている「自由保育」は、一人一人の子ども達がドロンコ遊びや砂遊び、お部屋での積み木遊びなど、様々な遊びを通して自由に交わり、遊べる力を養うことを大切にしています。「遊ぶ」力は、「学ぶ」力を養い、将来は、それが「自立して生きる力」へと繋がっていくからです。
        
 毎日、友だちと楽しく遊ぶことを通して、時にはケンカをし、仲直りすることを通しても学ぶ、それによって、人間関係を更に豊かなものとしていく、そのような小さな、しかし、大切な経験を重ねていくことが、将来、例えば国際的な場面でも活躍する「人間力」を育てるのです。
        
                               【2023年5月】
遊びはじめる
 進級、そして入園おめでとうございます。

 在園児は一つクラスが進級し、新しいお友達を迎え入れます。大きくなったことを誇りに感じる在園児と、初めての環境で親と離れて少し不安を感じている新入園の子どもたちが、一緒に生活をすることになります。
        
 園は、子どもの生活の場でもあります。子どもにとっての生活とは、伸び伸びと遊ぶことです。子どもの遊びの世界は、砂場、木のお家、三輪車、ブランコ、サッカー、積み木、お絵描き、お散歩・・・だけでなく、食事やお昼寝、トイレに至るまで、園で過ごす時間の全部が含まれます。一人で黙々と、何かに夢中になっている場合もあります。小さな木切れを手の平でつかむと、それは魔法にかけられたように、電車やバスに変身します。変身したその「車」は、子どもたちの手によって、ウットリと見とれるような軌跡を描きます。大人には想像できませんが、子どもは、モノを何かに見立てた世界で遊ぶ能力を持っています。また、子どもは好きな絵本を幾度も繰り返して読んでもらうと、内容を覚えて、自分が絵本の世界へ入り込んでしまう力も持っています。
        
 鹿島幼稚園は、一人一人の子どもたちが、それぞれの豊かさをいかしながら、仲間達と共にいろんな遊びを通して楽しく、豊かに学べる世界を作り出したいと願っています。
        
   (今年度も、このコラムは、大塚園長が毎月執筆していきます)
        
                               【2023年4月】

つながって 〜今、わたしを生きる〜


祈りの中で
 いよいよ、春が近づいてきました。今年度の最後の時期を迎えて、子ども達がこの一年も、たくさんの経験を通して、心も体も大きく成長したことを共に喜びたいと思います。

 先日、ある男の子が、「鹿島幼稚園は、誰が買ってくれたの?」という質問をしてくれて、個性的で、おもしろい発想だなあと感心しました。「鹿島教会の人たちだよ。」と答えると「ふーん、良かった。」と嬉しそうに答えてくれました。
        
 鹿島幼稚園は、六十七年前に、まだ幼稚園の無かった鹿嶋の子どもたちの楽園をという鹿島教会メンバーの祈りの中で誕生しました。以来、鹿島教会は園の子どもたちが守られ、すくすくと育っていくことを願い、祈り続けています。教会は、毎週日曜午前十時三十分から日曜礼拝を守っていて、春のイースターや冬のクリスマス等には、子どもたちへのプレゼントも準備していますので、どなたでも、自由にご参加ください。
        
 この一年も、祈りの中で、子どもたちは、ご家庭で、そして、園で、周りから愛情をたっぷり注がれて、それぞれの個性を生かしながら、豊かな発想のできる元気な子達に育ちました。これからも、自由に伸び伸び育っていけるよう、神様のお守りと導きを心から祈り続けています。
        
 (一年間お読み頂き、ありがとうございました。園長:大塚 愼)
        
                               【2023年3月】
希望を蓄えて
 「僕ら、同志社大学聖歌隊で出会って、一路、二人で鹿島に直行し、それ以来六十六年間、彼女は『カナリア』と呼ばれ、朝から晩まで歌い続け『教会と幼稚園作り』に全力投球をしてきた。…」これは、先月、鹿島教会で守られた、青木昭子さんの召天一年記念礼拝に際して送られた鹿島幼稚園初代園長青木敬和牧師のメッセージの一部です。

 「球根の中には 花が秘められ、さなぎの中から いのちはばたく。寒い冬の中 春はめざめる。その日、その時をただ神が知る。」『讃美歌21』五七五番より
        
 この讃美歌を作詞作曲したのは、アメリカ・メソジスト教会の牧師夫人、ナタリー・スリースさんです。
        
 寒さの中、やがて来る春を待つ球根の中には、花が秘められているように、今は、内側に向かい力を蓄えることが大切な季節です。キリスト教を世界に伝えたパウロという人は、「あなた方は神様が天で『蓄えて』下さった希望に満たされることによって生き生きと過ごせるのだ」と語っています。
        
 寒い毎日ですが、青木園長ご夫妻が愛情を注ぎ続けて下さった鹿島幼稚園の子ども達が、今も、神様の恵みである「希望」を心にたっぷりと蓄えながら元気に過ごせていることを感謝しています。そして、神様の恵みによって、胸一杯にため込んだ「希望」というパワーのおかげで、やがて来る春の日々には、それぞれが、元気いっぱいのステキな花を咲かせることが出来るのです。
        
                               【2023年2月】
喜びにあふれた
 あけまして、おめでとうございます。二〇二三年も、鹿島幼稚園に連なる各ご家庭と共に、神様に与えられた子育てという恵みを大切に担いたいと思います。教会のカレンダーでは、一月六日が、あの東方の博士たちが、幼な子イエスを訪ねた記念日とされています。聖書には、博士らが、幼な子の居場所を指し示す星を見て「喜びにあふれた」と記されています。

 昨年は、ウクライナの悲しみと痛みの内に暮れました。戦争による被災者の上に、神様のお守りをお祈りします。鹿島教会では、ウクライナ支援の募金を続けていますが、園でも、クリスマス献金から支援への協力をいたしました。一方、国内では、東日本大震災からやがて十二年の時が経とうとしていますが、傷跡は、まだ多くの地域で残され、それを見る度に、被災者の方々は心を引き裂かれる思いでおられると思います。振り返って、私たちそれぞれの人生の歩みにも悲しみの道標が立てられています。それぞれの悲しみに、神様が寄り添って下さることを覚えて、心を強くしたいと思います。
        
 子どもたちも、これから長い人生を生きていく中では、ときに心痛む出来事に出遭う事が有るかもしれません。しかし、その度に、神様がそばにいてくださること、そして、東方の博士たちを喜びに溢れさせた何よりも大きな救いのしるしを輝かせて下さったことを感謝し、新しい年を喜びに溢れつつ共に歩んで行きたいと思います。
        
                               【2023年1月】
クリスマスの出来事
 私は今まで、長男、長女、そして三男と、三度の立ち会い出産を経験しました。ちなみに、次男の時も立ち会いたかったのですが、日曜日の礼拝中だったのでできませ立ち会えませんでした。生まれた直後の我が子を抱く喜びは、子育ての原点として、いつまでも記憶の中に深く焼き付いています。

 クリスマスは明るくて、あたたかくて、嬉しくて、喜びに満ちた時です。この喜びは、イエス様の誕生から出発しています。誕生の場にいた人々がイエス様をだっこして、そのあたたかさとホッとする安心感が順番に伝わって来て、今の私達まで届いているのです。
        
 しかし、聖書は、イエス様が生まれたのは馬小屋だったと伝えています。その頃、人口調査が実施されている最中で、自分の故郷(本籍)で登録をするために、旅をする人々で宿屋は満員でした。イエス様は、寂しく、寒さと貧しさの中で生まれ、ボロ布に包まれ、飼い葉桶に寝かされていました。人々で溢れていた真っ直中にもかかわらず、誰にも知られることなく、ひっそりと生まれたのがイエス様でした。
        
 弱者を排除する社会の中で、それまでは「ダメな人間だ」と冷たいレッテルを貼られて、寂しさの中に生きていた人々は、イエス様に「きみは そのままでステキだ」と語りかけられ、その言葉から、生きている喜びを感じ、人々と手をつないで温かさを共有し、生き方全体に喜びが溢れるまでになったのです。
        
 今年も鹿島幼稚園では、みんなでクリスマスを喜ぶ時を持とうとしています。
        
 神様に愛されている温もりを知っている子ども達が、その喜びと温かさを表現しようと嬉しい気持ちで準備しています。
        
                               【2022年12月】
わたしを生きる
 子どもや子育てに関する著書を多数刊行されている小児科医の毛利子来(もうりたねき)先生は、『新エミール 育児と教育について』(筑摩書房)の中で、こう述べておられます。

 「幼児の時代は、日の出。…輝く太陽が昇り、あたりは陽光にみちあふれ、全てが鮮やかに立ちあらわれる。」
        
 また、脳科学者の澤口俊之先生は、著書『「やる気脳」を育てる』(小学館)の中で、「前頭前野が、5歳ころをピークにして8歳ころまでに発達していく勢いには目を見張るものがあります。」
        
 人間の細胞分裂には回数の限度があり、やがては老化してゆく存在です。しかし、人間の「死」という限界を「復活」という奇跡で打ち破ったキリストのことが記されている聖書の言葉に触れる時、生物として生きているか死んでいるかではなく、人間として自分が本当に生きているといえるのだうか、すなわち「わたしを生きている」のだろうかと問うことの大切さを痛感します。
        
 子ども達が「わたしらしく生きる」ためには、子どもを抑えつけたり、枠にはめたり、強制的に、大人が考えたプログラムをやらせたりすることは不要です。
        
 鹿島幼稚園の子ども達は、それぞれが「わたしらしく生きる」ための力を育むべく、仲間達や園スタッフ、そして、何より神様の愛に見守られながら、自由な遊びを通して、それぞれの発達に必要な経験や学びを重ねつつ、日々成長し続けているのです。
        
                               【2022年11月】
つながって
 私は、同志社大学神学部の学生時代に、三度、ネパールを訪れました。日本とは全く違う文化、価値観に触れ、人と人とのつながり、「共に生きる」とは何かという事について、多くを教えられました。ネパールにはシェルパ族と呼ばれ、エベレスト登頂をサポートする事を仕事としている部族の人々がいます。その部族には「サンガイ・ジウネ・コラギ」という言葉が伝えられています。「みんなで・一緒に・生きるために」という意味です。厳しい環境、貧しさの中では、みんなでつながっていなければ生きる事はできない現実の中、代々受け継がれてきたすばらしい言葉です。物質的に豊かではあっても、個人主義が行き過ぎて、自己中心的な考えが広がっている日本社会に生きる私たちが忘れてしまった大切な物を教えてくれる言葉でもあると思います。

 今年度の園のテーマは「つながって」で、今年の年長カーニバルのテーマも「つながる」です。神様に愛されながら、日々育まれている一人一人が、一緒に身体を動かし心を豊かにされ、つながって協力し合い、共に心から喜び合える恵みの時を保護者の皆様と共に楽しく過ごしたいと思います。
        
                               【2022年10月】
イエスによる出会い
 一号認定児のみなさんは、長い夏休みが終わり、秋期保育が始まりました。

 皆さんはどんな夏休みを過ごされたでしょうか。子どもたちは皆、それぞれの経験を糧に、さらに成長したことでしょう。

 私は、宇治教会附属愛児園園長時代、キリスト教保育連盟関西部会京都区長の役を担当して、各月で開催される研修会の準備をしました。全国の園で、子どもたちのための学びがなされている中、鹿島幼稚園でも、夏休み期間に、園のスタッフは、更なるスキルアップを目指して様々な研修を受けています。

 鹿島幼稚園が実践しているキリスト教保育の原点は、聖書に記されているイエス・キリストの愛です。

 鹿島幼稚園の子どもたちは、自然に恵まれた環境の中で、四季の移り変わりを感じながら、虫たちや草花を新たに発見したり、また、それぞれの体の成長に合わせて、外遊びが少しずつダイナミックになっていったり、そして何より、神様の愛につつまれながら、日々、仲間達との新たな出会いを重ねることで、人を愛する心を豊かに育まれて、一歩ずつ成長を重ねていくのです。
        
                               【2022年9月】
光の子
 一号・未認定児のみんなは夏休みとなります。

 初めて、ご家族の元を離れ、集団生活を経験し、ドキドキ・ワクワクの毎日を過ごした年少さんもいました。そして、一つ大きくなった喜びや自信を胸に過ごし、同時に、周りの様子をしっかり理解できるように成長したことによって、時にはプレシャーなども感じながら、更に、お友達との遊びを深めていった年中さん。園生活の集大成の年を迎えて、心も体も大きくなって、フルパワーで楽しんだ年長さん。みんなが心を動かし、体も動かして、よく遊んだ春期保育でした。

 2号・3号認定児のみんなも、夏ならではのプログラムを楽しみながら、元気一杯に鹿島幼稚園の8月を過ごしていきたいと思います。

 聖書には、「わたしは世の光である」というイエス様のことばが有ります。光は、神様の恵みを表わしています。子どもたちは、イエスさまの光の恵みに包まれる「光の子」です。光を受けた子どもたちは、やがて自らも輝きを世に放ち、世界を照らす光となるのです。夏は、その神様の恵みである光があふれる季節です。今年の夏も、コロナへの心配はありますが、それぞれ、感染防止に留意して、生活リズムも大切にしながら、神様の恵みの中、親子の時間を元気に、そして、ゆったりと過ごしてください。そして、、共に、元気いっぱいの秋を迎えましょう!

                               【2022年8月】
豊かな子育てのために
 子どもたちの健やかな成長と保護者の皆様の心の安定とは、深い関わりがあります。

 お母さんにとって、おなかの赤ちゃんの心を感じることに始まる子育ては、生まれてきた子を見つめ、見守り、更には、存在の全てを認めることへと進んでいきます。

 その原点は常に、心を感じることです。

 他者の存在、心を感じる為には、まずは、自分自身の心が穏やかでなければいけません。

 主婦として日々を忙しく過ごしておられる方の場合は、家に閉じこもって「逃げ場がない」というように感じておられる方がおられるかもしれません。また、お仕事をしておられる方であれば、職場と家庭の両方のことで、てんてこ舞いという方も多いのではないかと思います。
        
 そのような場合、心地良く過ごせる時間、ホットできる時間を作ることはとても大切で、それが、人生の豊かさにつながり、豊かな子育てにもつながります。

 認定こども園には、保護者支援という大切な使命がありますが、鹿島幼稚園も、何かとご苦労の多い保護者の皆様に寄り添い、子どもたちの豊かな成長を支援するため、子育て、家族の問題、人間関係の悩みなど、保護者の皆様が、ひとりで悩むことの無いよう、できるだけはやく解決できるように一緒に考えたいと願っています。お子様のことで、何か心配なことが有りましたら、まずは担任までご相談ください。また、「副園長 内野邦子(NPOファミリーコンサルタント・スーパーバイザー)の相談室」も設けていますので、園までお気軽にお電話ください。

                               【2022年7月】
ぶどうの木
 歴史的に見て、聖書に出てくる食べ物は、記録として最も古い物が多くあるのですが、食は、命に関わる大切な物です。子ども達に大切な栄養を送る源となるのも、毎日の「食」です。

 鹿島幼稚園の0,1歳児は、「ぶどうの木のおへや」で過ごします。ぶどうの木のおへやという名前のルーツは、イエス・キリストが、自らを「ぶどうの木」に譬えて、ぶどうという食べ物を用いて、神の愛を教えたことにさかのぼります。

 ぶどうの木は、地下二十五メートルもの深さまで、根を張ります。神様の深い愛によって、私たちの命の実が養われているということを象徴しています。

 鹿島幼稚園の子どもたちは、毎日、お家の方が愛情込めてつくったお弁当、また、マンナルームスタッフが心を込めてつくった給食を食べています。子どもたちは、毎日の食事を楽しみにしています。みんな、遊びの時間は大変にぎやかなのですが、食事の時間は、誰もいなくなったのかと思う程、シーンとしています。みんな、食事に集中して、一生懸命食べているからなんです。コロナで、「黙食」が勧められるようになりましたが、鹿島幼稚園では、以前からずっと、自然に黙食していたんです。私も、園長として、毎日美味しい給食を戴いていますが、マンナルームに食器を返す子どもたちが、「ごちそうさま」、「おいしいごはんをありがとうございました」と嬉しそうに感謝の言葉をかけている様子をいつも微笑ましく思いながら見ています。

 鹿島幼稚園の子ども達は、食事をしっかり摂って、体も、心も神様の恵みに満たされて、元気一杯に成長していきます。

                               【2022年6月】
心に寄り添って
 新しい年度のスタートを迎えた4月も終り、爽やかな新緑の風が吹く5 月を迎えました。環境の変化という不安の中、部屋の中で遊ぶことが多かった子ども達も、園の様子やお友達にも少しずつ慣れていくことにより、元気に外へ飛び出していくようになりました。

 緊張がとけてきた子どもが増えている一方で、新しい生活に慣れようと一生懸命な子もたくさんいます。慣れるスピードもそれぞれの個性なので、一人一人が無理無く、それぞれのペースで楽しみを増やしていけることが大切です。

 園生活にようやく慣れはじめたけれど、5月の連休明けにはまた、4月当初のように泣いたり、不安がったりということが起こる時期でもあります。それぞれの思いを受け止めながら、それぞれの歩幅に合わせた保育を心がけたいと思います。

 世界中でコロナ感染への心配が、なかなか終わらない状況ですが、鹿島幼稚園では、園医をはじめ、様々な方々のお支え、ご指導を戴きながら、保育を継続できていることを改めて感謝申し上げます。

 子どもたち一人一人の心に寄り添って、一人一人の歩幅で、しっかり歩み出せるよう見守っていきたいと思います。

                               【2022年5月】
希望を失わない心
 進級、そして入園おめでとうございます。

 桜の花が咲くころになると、教会では、毎年、イエス・キリストの復活をお祝いするイースター礼拝を守ります。鹿島幼稚園の屋根には、大きな十字架があります。全世界の教会にかかげられているこの十字架は、神の子イエス様が、人間を救って下さった希望のしるしです。

 鹿島教会から生まれた鹿島幼稚園の子ども達も、日々、神様に見守られながら過ごします。これから始まる毎日も、キリスト教保育を実践する園で、砂場、木のお家、三輪車、ブランコ、サッカー、積み木、お絵描き、お散歩…その他たくさんの遊びを一緒にしますが、全ての子どもたちは、神の子イエス様に守られているので、毎日楽しく、喜びに満ちて、元気に過ごすして、希望を失わない心が豊かに育まれていくのです。

 (今年度も、このコラムは、大塚園長が毎月執筆していきます))

                               【2022年4月】

共に喜んで 〜すべての歩みの中〜


タラントン
 いよいよ、春が近づいてきました。今年度の最後の時期を迎えて、子ども達がこの一年も、たくさんの経験を通して、心も体も大きく成長したことを共に喜びたいと思います。

 テレビやラジオで活躍している芸能人のことを「タレント」と呼びますが、「タレント」という英語は、「才能・素質・技量」などの意味です。実は、この「タレント」という言葉は、もともと聖書に由来します。新約聖書の時代、古代ギリシャの貨幣の単位に「タラントン」いう単位があって、イエス様のたとえ話の中に、私たちは、神様からそれぞれに「タラントン」=「才能」が与えられていて、それを生かすか殺すかは、私たち自身にかかっているというお話しがあるのです。

 鹿島幼稚園は、園関係者をはじめ、教会や地域の方々等、様々なタラントンを生かしておられる方々の協力を戴いていることを心より感謝いたします。

 鹿島幼稚園の子ども達は、人生を歩み始めたばかりで、その意味で、それぞれのタラントンも生かし始めたばかりです。みんな、これからどんな道を成長しながら歩んで行くのか、本当に楽しみです。これからも一人一人に与えられたタラントンを充分に活かしながら歩んでいけるよう、神様のお支えとお導きを心からお祈りしています。

 (一年間お読み頂き、ありがとうございました。園長:大塚 愼)

                               【2022年3月】
新たな歩みへ
 今年度も残り2ヶ月となりました。この二年程は、子ども達の日常を守るためにコロナ対策という深刻な項目が加えられることとなりましたが、幸い、クラスター等心配な状況になることはなく、元気に過ごせたことを感謝しています。また、この間、保護者の皆様にも、感染防止のために多くのご理解、ご協力を戴いたことを心より感謝申し上げます。子どもたちの成長していく様子を目の当たりにすると、どんな状況になっても、子ども達の成長の歩みは止まらないのだということを実感します。

 年長さんは鹿島幼稚園での歩みをやがて終えようとしています。年中さん、年少さん、そして、ぶどうのお部屋のみんなも、この1年間、頑張って歩んできました。

 聖書の中に、多くの言葉を残しているパウロという人は、ヨーロッパを歩き回ってキリスト教を広めた伝道者です。パウロは、自分が歩んだ道は、神様が全てご存知であること、人に褒められるのではなく、神が「栄冠」を下さる事が何よりの喜びであり、誇りであると語っています。

 鹿島幼稚園の一人一人の歩みにも、神様が、輝く栄冠を与えて下さり、更に新たな歩みへと送り出して下さることを感謝しつつ、子ども達の日々の歩みを見守っていきたいと思います。

                               【2022年2月】
「子育て」という恵み
 日本の人口は、あと30年で一億人を切ると言われています。主な原因は「少子化」です。少子化という現象がなぜ起こっているか、その理由については、様々な事が考えられますが、「子育てをしたくない」という大人が増えている事も一つの理由のようです。子育てに限らず、「子どもが苦手だ」という大人が多くなっているようにも思います。それは、子どもが「自然」というテリトリーに生きる存在であることによります。この世界は、「人間が作った世界」と「作っていない世界」つまり〈人工〉と〈自然〉に分ける事が出来ます。そして、子どもは、〈自然〉の世界に属します。つまり、子育てとは「自然の世界に属している子どもに関わる」という事なのです。「自然」というのは、人間が設計することができないものです。それに対して、どう扱っていいか分からなくなっている大人が増えているという事です。

 オランウータンの子どもは、親離れするまでおよそ8年かかるそうです。その間に、母親は、子どもに生きる術を学ばせます。例えば、幼い子どもが枝を渡ろうとして立ち往生したような時にも、母親は体を抱いて助けるのではなく、じっと見守って、子どもに「どうすればよいか」を考えさせるのです。このような「考えさせて学ばせる」という教育によって、子どもは、知恵や、道具を使うワザを発達させるのです。人間本来の子育ての大切なポイントを教えてくれているように思います。

 この一年も、 新しい一年も、鹿島幼稚園に連なる各ご家庭と共に、神様に与えられた子育てという恵みを大切に担いたいと思います。

                               【2022年1月】