神は小さな羊を愛し |
「いつのことだか思い出してごらん あんなことこんなことあったでしょう…」この時期、いろんなところで歌われる定番の『おもいでのアルバム』です。しかし、実は子どもは記憶することが苦手なのです。脳科学の発達によって、脳の細かい分業について解明されてきました。時々「うちの子は、今日は園で何をして遊んだの?」と聞いても答えてくれないというお話を耳にします。大人は心配になってしまいますが、子どもの反応としては、それで問題無いのです。遊びの「楽しさ」を感じるのは前頭葉、感想を述べる「言語」を司るのは側頭葉で、答えてくれない子は、前頭葉をめいっぱい使って、しっかり遊んだ子なのです。そして、遊びを通して豊かに成長した前頭葉は、やがて、その人の脳全体を司る司令塔としての重要な働きを担うことになるのです。 わたし自身も、園児の頃の記憶は無いのですが、母が何度も話して「覚えさせられた」のは、園でのいたずらが過ぎて、廊下に立たされていたという話しです。先生達もお手上げの前代未聞の「いたずらっ子」だったようです。しかし西宮公同教会附属幼稚園で、みんなに愛されながら成長した「迷えるこひつじ」をその後も神様は愛し続けてくださり、神と人に仕える牧師としての道を備えてくださいました。 聖書には、迷える一匹、大切な一人に徹底的に注がれる愛が記されています。そして、神様の愛を受けた「一匹」の喜びは、世界を変える力ともなるのです。神の徹底した愛の世界で成長した子ども達が、これからも新たな一歩を重ね続けます。 (一年間お読み頂き、ありがとうございました。園長:大塚 愼) 【2025年3月】 |
つながり、育ち合う |
阪神淡路大震災から、三十年の時が流れました。 鹿嶋には、製鉄所もあることからか、関西出身の方が比較的多いのですが、中には、当時被災されたという方も多くおられると思います。私も、実家が神戸市東灘区で、自宅が半壊し、当時は、四国の潮江教会の主任牧師でしたが、しばらくお休みをいただいて、地元でのボランティアなどにも参加させて頂きました。 震災から一年の能登では、今も復興のめどが立たない状況が続いていますが、被災者の中には、能登の状況が、風化しないことが大切だと語る方もおられました。鹿島幼稚園では、今年も石川県のパン屋さんからパンを購入して、支援させて頂く予定ですが、災害の記憶を風化させることなく、それぞれに刻まれた教訓を活かし、人類の未来に活かしていくことが大切であると思います。 鹿島幼稚園でも、定期的に避難訓練を行なっていますが、みんな真剣な表情で、しゃがんで集まっている様子を見ると、いつも伸び伸びと遊んで、しっかり成長しているんだなと感心させられます。 厳しい寒さの日も有りますが、この一年の集大成、そして、年長さんたちは、鹿島幼稚園の集大成の時期を迎えて、それぞれが、慣れ親しんできた環境の中、仲間達の温もりを感じながら、元気一杯、いろんな遊びを展開しています。この二月に、創立六十九年を迎える鹿島幼稚園ですが、これからも、元気一杯遊ぶ「先輩たち」に憧れの眼差しを送りながら共に遊び、育ち合う「後輩たち」が、鹿島幼稚園の未来を創っていってくれるのです。 【2025年2月】 |
闇に輝く小さな光 |
あけまして、おめでとうございます。 二〇二五年も、鹿島幼稚園に連なる各ご家庭の皆様にとって、喜びあふれる年となりますようお祈りいたします。 クリスマスに向かうアドベントの期間、園の掲示板にはツリーが飾られ、生木を用いたクリスマスツリーも飾られました。最近一般的には、キラキラ輝くLEDのイルミネーションが主流となっていますが、鹿島幼稚園の子どもたちには、ぶら下がっている赤いリンゴが人気です。これも、自然を大切にする鹿島幼稚園らしい特徴の一つであると思います。 クリスマスには、保護者の皆さんと鹿島教会の有志によるバザーも開かれ、大変楽しい時が与えられましたが、鹿島幼稚園は、「子どもたちにとっての真の楽園を」という鹿島教会の願いで誕生しました。鹿島教会の『四十年の歩み』という教会史には、教会設立に尽力された春日正信さんの次のような言葉が記されています。「一九四八年、初めてのクリスマス会合が、亀屋旅館を会場として開かれた。 …中略… 鹿島教会にとっては記念すべきスタートの楽しい祝会であった。」鹿島幼稚園を産んだ鹿島教会の誕生も、クリスマスでした。 クリスマスは、イエス・キリストという小さな命が誕生した喜びの時です。それは、闇の世に輝いた希望の光でした。クリスマスページェントでも、鹿島幼稚園の幼な子たちの小さな命が光り輝いていました。その光は闇が暗ければ暗い程、まばゆく輝くのです。 新しい年も、子どもたちの命の輝きを守るために、一人一人を大切にする保育を続けていきたいと願います。 【2025年1月】 |
温もりを分かち合う |
『みずたまり』(作:森山 京、偕成社)という絵本があります。二〇〇四年十二月、インドネシアのスマトラ島沖で起きた大地震による津波で二十万人以上が犠牲となったことを扱ったこの作品が出版されたのは、東日本大震災から二か月後のことでした。タクという男の子が、自分が普段遊んでいるブランコの下にできる水たまりを誰にも知られないうちに整備してくれているおじさんの存在に気付き、他の誰かの気持ちを考えられるようになっていく…という、子どもの心の成長をえがいた心癒やされる作品です。 今年のお正月に能登半島を襲った大地震から、やがて一年が経とうとしています。元通りの街になるには、まだまだ時間がかかるようです。被災者の皆様の上に、神様のお守りがあるようお祈りします。鹿島幼稚園では、石川県のパン屋さんからパンを購入したり、鹿島教会でも支援募金を続けています。 鹿島幼稚園では、クリスマスを喜ぶ時を持とうとしています。毎年、子どもたち、保護者の皆様からクリスマス献金をお献げいただき、ウクライナやガザなどの紛争で苦しむ人たち、また、園医や地元の消防などお世話になっている方々を覚えて、献金やプレゼントをお贈りしていますが、クリスマスを迎えるこの時、困難の中に置かれて苦しんでいるお友達がいることに気付ける子どもたちへと成長してくれるよう願っています。 そして、あの馬小屋から届けられる温もりを多くの人々と分かち合えるようなクリスマスを共に喜び祝いたいと思います。 【2024年12月】 |
子どもたちに愛される園として |
カーニバルの際には、多数の保護者の皆様にお集まりいただき、ありがとうございました。天候にも恵まれ、今年も、にじのお庭で、親子プログラムにもご参加戴き、赤ちゃんから、おじいさんおばあさんまで、幅広い年齢の皆さんの笑顔が溢れる、嬉しい時となりました。 コロナ禍以前には、他に場所を借りてカーニバルを行なったこともありましたが、にじのお庭でカーニバルを実施できる何より良い点は、子どもたちが、いつも遊び慣れた場所なので、安心できるということだと思います。 子どもたちは、いつもの園庭で、それぞれお気に入りの遊具や乗り物に乗ったりして遊んでいるのですが、以前園長をしていた宇治教会附属愛児園には、子どもたちに大人気の黄色い三輪車がありました。みんながいっぱい乗るので、ペダルやサドルが何度も壊れて、古いので換えの部品も無くて、当時、三菱造船に勤めていた父に溶接の修理を頼んでいました。 鉄棒、うんてい、ジャングルジムに、木のお家…子どもたちが大好きな鹿島幼稚園で、楽しく安全に遊ぶことが出来る環境を整え続けていきたいと思います。 【2024年11月】 |
あなたが共にいるだけで |
いじめや不登校、凶悪事件の年少化等の報道が増え始めて以降、学校教育や家庭でのしつけの事がよりクローズアップされ始めました。特に、親の関わり方が問題視され、育児雑誌等でも、「わが子を凶悪非行に走らせないために」といったようなテーマでしばしば特集が組まれるようにもなりました。 鹿島幼稚園には、素敵な「育メン」が多くおられますが、日本社会では、まだまだ子育ては母親の責任といった風潮が色濃く残っているようです。その結果、日本のお母さん達は「この子の将来は、私の子育てのやり方一つにかかっている」と全てを背負い込んでしまい、育児不安を募らせ、「しかり方」「ほめ方」のマニュアルを探し求め、中には、育児書を百冊も読んだというお母さんもいるようです。 小児科医の山田真さんは、豊富な臨床例をもとに、「人は母親の育て方で変わるほど、ヤワな存在じゃないですよ。」(『ハッピーチャイルドに育てる十九の知恵』好本恵編、NHK出版より)と、世のお母さん達へエールを送っておられます。 そうです、子育てに「これが正解」というものは無いのです。では、どう育てれば良いのでしょうか? 聖書にはキリスト教を世界中に伝えた弟子たちを支えたのは、復活のキリストが、弟子たちのそばで、彼らを愛し続けたその「愛」であると書かれています。 今年のカーニバルの年長組のテーマも「愛」ですが、子育てのテーマも同じなのです。その子を信じ、その子と共に生き、愛し続けることこそが、その子が素敵に成長するために必要かつ、永遠に変わることのない、真の育児法なのです。 【2024年10月】 |
平安に過ごせる恵み |
私は、前任の宇治教会附属愛児園園長の頃から、子どもたちに、動物のパペットを使ってお話しすることがあるのですが、先日も、鹿島幼稚園のみんなにパペットを使ってお話しをしたところ、とても喜んでくれました。人形には、不思議な力があります。保育の中でもお人形は欠かせない遊具です。子どもたちは想像力を働かせて、人形の中に、ある時はお友だち、ある時は赤ちゃんといった様々なイメージを浮かべて、生きた相手としてとらえて、対話しながら遊ぶことができます。そしてそれは、相手の気持ちを思いやったり、考えを想像したりする力を育んでくれます。人形には、そうした子どもたちの心の成長にとって大切な「ファンタジー」の世界を広げる力があるのです。 今年の夏休みは、平和の祭典、パリオリンピック、パラリンピックに感動する一方で、ウクライナの情勢や「南海トラフ地震臨時情報」に心配しながら過ごされた方も多かったと思いますが、子どもたちの「ファンタジー」の世界を広げるために大切なものは、やはり、子どもたちが安心して過ごせる環境です。世界に目を向けると、争いや災害が絶えない現実がありますが、鹿島幼稚園に集う子どもたちのファンタジーの世界を守るために、今年の秋も、子ども達が安心して遊べる環境を守っていきたいと思います。 【2024年9月】 |
子どもたちに愛を |
先月、鹿島幼稚園初代園長青木敬和先生(鹿島教会代2代牧師)が、九十三年という長い生涯を終えて、安らかに天国へと召されました。園長を退かれてからも、ずっと鹿島幼稚園のために祈り、支え続けてくださいました。6月も、「大塚ファミリーの上に神様の祝福が豊かにあるよう祈ってます。」と「応援」のお手紙をいただいたばかりでした。その差出人の欄には、いつものように、本名ではなく、「ぶうぶう」と「天国のアンコロ」とありました。「アンコロ」というのは、二〇二二年に天に召された青木先生のお連れ合いである青木昭子さんの愛称です。鹿島幼稚園を愛し続けてくださった青木先生ご夫妻は、子どもたちから愛を込めて呼ばれていた名前を最後まで大切にされていたのです。ご遺族によると、ずっと昭子さんに会いたがっていたので、今は、天国での再会を心から喜んでいるでしょうとのことでした。そして、これからは、天国から二人で鹿島幼稚園を見守ってくださることでしょう。 青木先生は、著書『ごらん、幼児のこの“いのちの爆発”を』(文芸社)の中で、「若いパパ・ママたちへの、『ぶうぶう園長応援歌』が出来上がりました。」と、子育てに奮闘する保護者の皆様へ「応援団長」としてのエールを述べ、子育てで最も大切なことは、たっぷりと愛情を注ぐことであると述べておられます。 8月は、平和を祈念し、命の大切さを見つめ直す時でもあります。世界に目を向けても、日本の社会の中でも、子どもたちへの愛がないがしろにされている現実を思わされます。 今年も暑い夏となりましたが、子どもたちと過ごす時間の中で、子どもたちの成長にとって、最も大切なのは「愛」であるということを改めて覚えつつ、例えば、何気なく交わす言葉にも愛情と心を込めながら、共に子どもたちの成長を見守るステキな夏を過ごしていきたいと思います。 【2024年8月】 |
遊びを見つける夏 |
七月を迎えて、いよいよ本格的な夏の到来です。 先月の年長さんたちとの「園長とランチ」では、子どもたちからいろんな質問をもらいました。「何色が好きですか?」ときかれて、「濃い青色が好きかな。」と答えると、「あ、それ、今わたしたちが作ってる。」と、掲示板に貼ってる藍染め作りのことを教えてくれました。「何の歌が好きですか?」ときかれて「ぞうさん」と答えると、「ぞーさん、ぞーさん♪」と歌ってくれる子もいました。「何のお花が好き」「チューリップが好きです。」、「何の虫が好き?」「クワガタかな。」と答えると、「あ、僕はカブト」と教えてくれる子もいました。いろんなことに興味を持って、しっかり成長している年長さんたちとのランチタイムは、心癒やされる恵みの時となりました。 夏になると、水での遊びも広がります。砂のケーキやドロンコまんじゅう、小さなトンネル、大きなトンネル、川やダム作りとダイナミックに遊びが展開されていきます。そして、園庭に生い茂る植物、それに群がる虫たちと、いろんな自然に親しみ、それぞれ自分の遊びを見つけて、子どもたちは豊かに成長を重ねていきます。 近年、異常気象により、異常な暑さとなる日も有りますので、この夏も、子どもたちの命を守るため安全面に配慮しながら、子どもたちが充分に自由に遊べる環境を整えていきたいと思います。 【2024年7月】 |
子どもたちに楽園を |
鹿島幼稚園は、鹿嶋市に最初に誕生した幼稚園です。鹿嶋市が「鹿島郡鹿島町」であった当時、「鹿島の子どもたちに楽園を」というビジョンに燃えた鹿島教会によって、教会附属幼稚園として創設されました。 その後、時は流れ、現在は「認定こども園」として歩みを重ねていますが、いずれにせよ、大切なことは、園の体制がどのように変わろうとも、子どもたちが安心して成長できる環境、保育内容を守るということです。子どもたちが、神様に愛されながら、神様の恵みを日々たくさんいただきながら過ごせるよう努めることが、園に与えられている使命であると考えています。 鹿島幼稚園は、創設以来、子どもたち一人一人の個性を尊重し、自立に向けて、共に成長する保育を目指しています。そのために鹿島幼稚園は、遊びを通して学ぶ、自由保育を実践しています。子どもたちは、緑に触れ、虫を発見し、砂や水に興味を持ったり、積み木を積み上げたり、自由な発想で絵を描いたりしながら、仲間と一緒に毎日、その子にとっての「楽しさ」を発見していきます。子どもたちは、強制されるのではなく、自分で考え、行動することで、その子らしい個性を伸ばしながら成長することができるのです。それは甘やかすということではなく、子どもの思いに寄り添うということなのです。これからも鹿島幼稚園は、子どもたちの喜びに寄り添っていきます。 【2024年6月】 |
愛を注ぎ続ける |
時々、子どもたちに「園長先生、だ〜いすき。」と言って貰えることがあります。 子どもたちからそう言って貰えると、なんだか心がほっこりして癒やされると同時に、ああ、この子は、いつも周りの人たちから「だ〜いすき」と言って貰っているんだろうなと感じつつ、「園長先生も、みんなのことだ〜いすきだよ」と応えています。 児童精神科医の佐々木正美さんは、著書『子どもへのまなざし』(福音館書店)の中で、「子どもに一定の成長や発達を促しながら、けれどもその早さや限界は、子どもの歩みのままで良いというふうに、子どものありのままの状態を親が本当に満足して、受け入れてあげられるかどうかが、大切なことなのです。」と述べられ、子育てにおいて「条件つきでない親の愛」の重要性を指摘しておられます。 また、アメリカの子育てカウンセラーとして著名なドロシー博士の『子どもが育つ魔法の言葉』(PHP研究所)には、「愛してあげれば、子どもは、人を愛することを学ぶ、認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる」と記されています。 周りの人にありのままの自分を受け入れてもらい、愛されて育つ子どもたちは、やがては、周りの人を受け入れ愛することの出来る、自分を信じて自立した人間へと成長していくのです。これからも、ご家庭で、そして、鹿島幼稚園で、たっぷりの愛情を注ぎながら、日々成長していく子どもたちを共に見守っていきたいと思います。 【2024年5月】 |
遊びのはじまり |
進級、そして入園おめでとうございます。 新年度を迎え、子どもたちの新たな園生活が始まります。子どもにとっての生活とは、伸び伸びと「遊ぶこと」です。広い「にじのお庭」でサッカーや、砂場、木のお家、三輪車、ブランコ、お部屋では、積み木、お絵描き・・・園での遊びの始まりです。 鹿島幼稚園で、子どもたちは、自由に遊びます。いろいろある遊びの中から、自分がこうしたいということを自分の意志で決めて遊ぶのです。 大人に指導されたり、許可されたり、命じられたりという世界では、子どもの好奇心や冒険心、創造性といった大切な感性は退化してしまいます。そのような世界では、子どもの自主性は消えてしまい、大人の顔色をうかがい、「良い子」を演じるような世界となってしまうのです。 自由を与えられ、時には失敗の大切さも体験し、最終的には、一人で遊ぶよりも、友だちと一緒の方が楽しいな、すばらしいなということを感じられるような世界を鹿島幼稚園は大切にしています。 子どもは、遊びを通して学びます。たっぷり遊ぶことで、心も体も成長します。これから、鹿島幼稚園で、一人一人の子どもが、それぞれの豊かさをいかしながら、仲間達と共にいろんな遊びを通して、楽しく、豊かに学べる世界を作り出せるよう、安全にも十分注意を払いつつ見守っていきます。 (今年度も、このコラムは、大塚園長が毎月執筆していきます) 【2024年4月】 |
遊びを通して成長する |
年度末を迎え、年長さんには最後の園スケジュールになりました。 鹿島幼稚園を卒園して大学生になって、最先端の科学を研究しているという子が「僕は園にいたときはズーッと遊んでいました。」と話してくれたことがありました。鹿島幼稚園のスタッフは、子どもと「遊んであげよう」という発想ではなく、真剣に遊ぶ子どもたちと真剣に向かい合うという姿勢で子どもたちを見守っています。友だちと一所懸命遊んだ経験は、子どもたちを大きく成長させる力となります。遊びは、人に「遊ばせてもらう」のではなく、自ら「遊ぶ」ことで、活き活きとした経験となります。楽しい遊びを展開している子どものそばにいて、思わずその遊びに吸い込まれて、子どもたちの世界が更に大きく広げられるというのも、遊びを通して成長する世界の特徴です。 現代社会では、大人と子どもの世界の境界線が消えて、時に、大人の価値観が子どもに押しつけられるということも起こってしまうようです。大人の価値観が一方的に子どもに押しつけられてしまったりすると、子どもはそこに自分を当てはめることに精一杯となってしまいます。そうなると、気持ちと体を目一杯に使った遊びは展開できず、常に大人が気になり、良い子でいるために、自分の心を閉ざしてしまうということも起こりかねないのです。 鹿島幼稚園は、子どもたちが自分の心を素直に伸び伸びと表現できる世界を大切にしています。そのために、子どもの心の動きを感じて、必要な時にはサポートします。この一年、多くの愛を受けつつ、遊びを通して心も体も大きく成長した子どもたちは、春から、力強い一歩を踏み出します。 (一年間お読み頂き、ありがとうございました。園長:大塚 愼) 【2024年3月】 |
信頼 |
東日本大震災で起きた原発事故の問題も未だ解決途中である中、能登で大地震が起きてしまいました。被災者の方々の上に、神様のお守りを祈ると共に、支援への協力を続けていきたいと思います。 先日、鹿島幼稚園でも、地震を想定した合同避難訓練を行ないましたが、今後も、大切な命を守るために、安心安全な保育を日々重ねていきたいと思います。 鹿島幼稚園が行なっているキリスト教保育は、「子どもたちは、神様から命を与えられ、愛されているかけがえのない存在であり、その個性と人格をありのままに受け止め、尊重すること」を第一としています。 その根底には、子どもたちを守り、育んでくださる神様への「信頼」があります。 つまり、キリスト教保育とは、一言で言うなら、子どもを信頼するという保育なのです。 子どもを守り、愛してくださる神様を信頼し、その愛によって成長していく子どもたちを信頼して、子どもたちの主体性を尊重し、子どもが自立できるよう支え、励ますのが鹿島幼稚園の保育です。 鹿島幼稚園で過ごす子どもたちは、周りの大人や友だちの信頼を受けつつ、自分も他者を信頼して豊かな人間関係を育みながら、やがて来る春に、力強くステップアップしていくのです。 【2024年2月】 |
希望あふれて |
あけまして、おめでとうございます。 二〇二四年も、鹿島幼稚園に連なる各ご家庭の皆様にとって、喜びあふれる年となりますようお祈りいたします。クリスマスには、年長さんのステキなページェントを始め、それぞれの学年で喜びの時が与えられ、クリスマスの恵みに満たされた年末年始を過ごせました。また、教会との合同バザーでも、子どもたちの笑顔あふれる楽しい時が与えられました。父母の会役員をはじめ、保護者の皆様に大きなご協力をいただきましたことを感謝いたします。 聖書には、博士たちが、幼な子イエスの誕生を御祝いするために訪ねた日、幼な子の居場所を指し示す星を見て「喜びにあふれた」と記されています。 昨年も、世界各地で、戦争のために小さな命が脅かされました。被災者の上に、神様のお守りをお祈りします。小さな命を支援するため、クリスマス献金から協力をさせていただきました。子どもたちの命が守られ、一日も早く、平和解決がなされるようお祈りします。 遠く離れたこの鹿嶋に生きる子どもたちも、これから長い人生を生きていく中では、多くの喜びもあり、ときには心痛む出来事に出遭う事が有るかもしれません。しかし、その度に、年長さんのステキなページェントでも演じられた、博士たちを喜びにあふれさせた何よりも大きな救いである、イエスさまがそばで守っていてくださるという希望にあふれて、新しい年も、子どもたちと共に、元気に楽しく日々を過ごして行きたいと思います。 【2024年1月】 |
希望を伝えるクリスマス |
クリスマスのシーズンに入りました。この時季には、街中がクリスマスに包まれます。デパートや商店街には、豪華なプレゼントが見事に陳列され、いろんなところで、クリスマスパーティーが開かれたりもします。 それでは、鹿島幼稚園ではどの様なクリスマスを迎えようとしているのでしょうか。 クリスマスは、喜びに満ちた時です。この喜びはイエス様の誕生から出発しています。誕生の場にいた人々が、イエス様誕生の場面に接して、神様の愛のぬくもりが順に伝わり、今の私達まで届いているのです。ただし聖書は、イエス様が生まれたのは、貧しい馬小屋だったと伝えています。イエス様は、神の子ですから、立派な神殿でも良かったはずなのに、何故、馬小屋に生まれたのでしょうか?それは、イエス様が、当時の権力者、支配者のためではなく、小さく弱くされていた人々に希望を与えるためにお生まれになったからです。 鹿島幼稚園でもクリスマスを喜ぶ時を持とうとしています。しかし、クリスマ スになったから特別なことをするのではありません。競争原理が渦巻き、弱者が排除されるような「寒い」世界に、神様の深い愛による希望が、あの馬小屋から届けられるクリスマス。子どもたちは、クリスマを迎えて、心身共に温まる恵みを友達と一緒に喜ぶ時を過ごします。年長さん達は、鹿島幼稚園で過ごす最後のクリスマスとなりますが、ページェントの希望あふれる劇を通して、それぞれの成長した姿を見せてくれるのです。 【2023年12月】 |
輝く命 |
カーニバルの際には、多数の保護者の皆様にお集まりいただき、ありがとうございました。天候にも恵まれ、新たに整備された、広いにじのお庭で、親子プログラムにもご参加戴き、赤ちゃんから、おじいさんおばあさんまで、幅広い年齢の皆さんの笑顔が溢れる、嬉しい時となりました。 笑顔の中心には、子どもたちの「輝く命」があります。 キリスト教保育を実践する鹿島幼稚園を支えるのは、神様の愛です。聖書には、イエス様によって、人間は永遠に神に愛される者とされたと記されていますが、神様の愛は、生まれたときから、降り注がれ、それは天国までも続きます。 実りの秋を迎えて、鹿島幼稚園の子どもたちは、神様の愛に守られつつ、大きな成長を続けています。ご家族と共に、命を輝かせながら過ごしている子どもたちのそばで、日々の成長を見守り続けていきたいと思います。 【2023年11月】 |
あきのこどもカーニバル |
今年の鹿島幼稚園カーニバルのテーマは、「あきのこどもカーニバル」です。 多くの皆様のお祈り、お支えにより新たに完成した広い園庭「にじのお庭」で、コロナ以降、久しぶりに1日の全園のプログラムとして開催できますことを心より感謝します。 鹿島幼稚園では、運動会という言葉を使わず「カーニバル」と呼んでいるのですが、それは、競争ではなく、子どもたちがそれぞれ成長した体を一杯動かして、成長の喜びを楽しく分かち合うお祭りとしたいという願いからです。 運動の祭典というとオリンピックがありますが、私は、オリンピック終了後に開催されたパラリンピックにも感動しました。その中に、ゴールボールという競技があります。ゴールボールとは、3人対3人で、目隠しをしながら鈴の入ったボールを転がして、ゴールに入れることで得点する視覚障がい者の球技で、第2次世界大戦で傷を負った兵士のリハビリテーションとして考案されたという歴史があって、ヨーロッパでは盛んに行われているそうです。目に見えない相手選手の足音や、かすかな鈴の音を頼りにシュートを防ぐためには、大変な努力が必要だと思います。3人で力を合わせてゴールを守るには、絶妙なチームワークも必要です。日常生活の中でもおそらく数多くの苦難を乗り越えてこられたであろう選手たちが勝利の瞬間に流す涙は美しく、清々しい感動を受けました。まさに、平和の祭典、オリンピックにふさわしい種目だと思います。 世界各地で戦争が絶えない現実がある中、鹿島幼稚園の小さな子ども達の元気な笑顔は平和実現に向けての大きな希望です。カーニバルでも、神様に愛されつつ、日々育まれている一人一人が、一緒に身体を動かし心を豊かにされ、心から喜び合える恵みの時を過ごしたいと願っています。 【2023年10月】 |
滅びないもの |
一号認定児のみなさんは、長い夏休みが終わり、秋期保育が始まりました。皆さんはどんな夏休みを過ごされたでしょうか。子どもたちは皆、それぞれの経験を糧に、さらに成長したことでしょう。 今年の夏休みも、台風が襲ってきたりして、全国各地で大変な水害に襲われました。被害に合われた方々に、神様のお守りを心よりお祈りします。鹿島幼稚園では、災害に備えて、耐震工事を行なったり、自家発電機を設置したりして備えていますが、先月は、子どもたちやスタッフの長年の願いでもあった、にじのお庭の拡張工事も無事完了しました。保護者有志の皆様にも、物心両面に渡ってご協力戴いてきたおかげであることを心より感謝いたします。今後も子どもたちが安全に、快適に園生活を送れるよう、随時、環境整備を行っていきたいと考えています。 近年は、異常気象によって世界各地で建造物が倒壊するなどの被害が出ていますが、洪水によっても、何が起きても失うことのないものがあると聖書は教えてくれています。それは、永遠に消えることの無い神様の愛です。変わることの無い愛に、子ども達は、守られ、育まれているのです。 【2023年9月】 |
子どもたちに平和を |
一号・未認定児のみんなは夏休みとなります。2号・3号認定児のみんなも、夏ならではのプログラムを楽しみながら、元気一杯に鹿島幼稚園の八月を過ごしていきたいと思います。 八月は、広島、長崎に原爆が投下され、十五日に敗戦を迎えたという記念の月です。子どもたちに平和を伝えていく大切なときでもあります。ウクライナの子どもたちにも、一日も早く平和な日が訪れることを祈りたいと思います。 鹿島幼稚園では、子ども同志の世界を尊重する方針を大切にしています。例えば、子ども達は時に、自分の主張を貫くために、友達と喧嘩もします。但し、子ども達の喧嘩は、仲が良い関係の中で生じます。夢中になって遊んでいれば、当然、お互いが自己主張をするので喧嘩も起こるのです。しかし大抵は、大人が仲裁しようかと身構える間も無く、ケロッとして一緒に遊び出すものなのです。下手に大人が間に入ると「どちらが先に手を出したの?」「どちらが悪いの?」と「裁判官」になってしまうのです。子ども達は、喧嘩をすると同時に、壊れてしまった友達との関係を修復する力を持っています。大人は、そこを信頼して、怪我等の危険性が無い限り、見守りながら、できるだけ口も手も出さないことが、その子どもの人間性を認め、その子どもを一人の人間として愛し、成長させることに繋がるのです。大人との関係が強すぎると、そういった、子どもが本来発揮出来る可能性のある力を奪ってしまうことになり、子ども同士が対等の関係を楽しむ力を弱めてしまうことにもなるのです。 平和は、上からの圧力によっては決して実現しないということ、そして、平和の特徴は、何より弱い者が喜んで生きることができる世界だという原点を親子の関係の中でも実感しながらこの夏を過ごしていただければと願います。 【2023年8月】 |
ことばを大切に |
鹿島幼稚園では、保護者向けに「メール配信サービス」を利用していて、登録していただくと園からの「お知らせメール」が届きます。一斉メール発信サービスというのは便利なサービスなので、子どもたちが園で楽しく過ごせるよう、今後も活用していきたいと思います。 一方で、ネット社会を迎えている中では、最近「SNSの功罪」といった問題もよく取り上げられています。 尾木ママこと、教育評論家の尾木直樹さんは、著書『「ケータイ・ネット時代」の子育て論』(新日本出版社)の中で、「インターネットやケータイを悪用した学校における『いじめ』や『学校裏サイト』、『チェーンメール』『前略プロフィール(プロフ)』による嫌がらせ、友達間のトラブルが日増しに増えています。これらネットトラブルは子どもたちの友達関係を壊すだけでなく、人間への不信感を植え付け相手を傷つける事件や事故に発展しかねないほど危険に満ちています。」と述べておられます。 本来、微妙なニュアンスが難しい日本語なのに、相手の顔が見えないメールでは、言葉だけが独り歩きしてしまい、無用なトラブルに見舞われかねないというのは、子どもの世界だけの話ではなくなっています。 やはり、コミュニケーションというのは、相手の表情を見ながら、「生の声」を聴いてなされるべきなのでしょう。子どもたちも、そのようにして、他者との関わりを深めながら成長すべきなのです。今後も、子ども同士、保護者の皆様、スタッフ一同との豊かな「ことば」によるコミュニケーションを大切にしながら、互いに豊かな関係を形成していきたいと願います。 【2023年7月】 |
神の園 |
聖書の中で、一番最初の『創世記』には、神が最初の人を楽園、「エデン」に住まわせたという神の園、「エデンの園」のお話しが書かれています。 鹿島幼稚園は、鹿島にまだ開発の始まらない頃、鹿嶋市が「鹿島郡鹿島町」であった当時、この地には幼稚園が無く、「鹿島の子どもたちに楽園を」というビジョンに燃えた鹿島教会によって鹿嶋で最初の幼稚園として創設されました。 以来、鹿島幼稚園の子ども達は、日々、神様の愛に守られながら、神様に与えられた「神の園」である楽園に生きる恵みをたっぷり受けて、喜びの日々を送っています。特に、これから夏へと向かう中では、気候の移り変わりと共に、遊びのバリエーションも増えて、活動の幅も拡がります。 最近、「これは、カメムシじゃなくてかみきりだよ。」とかごに入れた虫のことを嬉しそうに教えてくれた男の子がいました。「園長先生〜、これ見て。」と、園庭で見つけた小さな貝殻を手のひらで大事そうに包みながら見せてくれた女の子もいました。 春にスタートしたそれぞれの新しい歩みが、夏の草花や虫たちを「発見」したり、お友達との交わりも深めながら、更にゆかたな一歩となるよう見守っていきたいと思います。 【2023年6月】 |
「遊ぶ」力 |
世界で最も教育が進んでいると言われている国は、オランダです。オランダの学校には、時間割も無く、日本のような学年も無く、子ども達が、学ぶことを自分で考え、縦割りのクラスでは、年長者が年少者に勉強を教えているそうです。そこでは、自分で考える力が養われ、オランダの社会を形作っていく「大人」としての力が養われています。 鹿島幼稚園も、認定こども園なので、幅広い年齢の子どもたちが集い、豊かな交わりを持ちながら、日々過ごしています。 園が大事にしている「自由保育」は、一人一人の子ども達がドロンコ遊びや砂遊び、お部屋での積み木遊びなど、様々な遊びを通して自由に交わり、遊べる力を養うことを大切にしています。「遊ぶ」力は、「学ぶ」力を養い、将来は、それが「自立して生きる力」へと繋がっていくからです。 毎日、友だちと楽しく遊ぶことを通して、時にはケンカをし、仲直りすることを通しても学ぶ、それによって、人間関係を更に豊かなものとしていく、そのような小さな、しかし、大切な経験を重ねていくことが、将来、例えば国際的な場面でも活躍する「人間力」を育てるのです。 【2023年5月】 |
遊びはじめる |
進級、そして入園おめでとうございます。 在園児は一つクラスが進級し、新しいお友達を迎え入れます。大きくなったことを誇りに感じる在園児と、初めての環境で親と離れて少し不安を感じている新入園の子どもたちが、一緒に生活をすることになります。 園は、子どもの生活の場でもあります。子どもにとっての生活とは、伸び伸びと遊ぶことです。子どもの遊びの世界は、砂場、木のお家、三輪車、ブランコ、サッカー、積み木、お絵描き、お散歩・・・だけでなく、食事やお昼寝、トイレに至るまで、園で過ごす時間の全部が含まれます。一人で黙々と、何かに夢中になっている場合もあります。小さな木切れを手の平でつかむと、それは魔法にかけられたように、電車やバスに変身します。変身したその「車」は、子どもたちの手によって、ウットリと見とれるような軌跡を描きます。大人には想像できませんが、子どもは、モノを何かに見立てた世界で遊ぶ能力を持っています。また、子どもは好きな絵本を幾度も繰り返して読んでもらうと、内容を覚えて、自分が絵本の世界へ入り込んでしまう力も持っています。 鹿島幼稚園は、一人一人の子どもたちが、それぞれの豊かさをいかしながら、仲間達と共にいろんな遊びを通して楽しく、豊かに学べる世界を作り出したいと願っています。 (今年度も、このコラムは、大塚園長が毎月執筆していきます) 【2023年4月】 |
祈りの中で |
いよいよ、春が近づいてきました。今年度の最後の時期を迎えて、子ども達がこの一年も、たくさんの経験を通して、心も体も大きく成長したことを共に喜びたいと思います。 先日、ある男の子が、「鹿島幼稚園は、誰が買ってくれたの?」という質問をしてくれて、個性的で、おもしろい発想だなあと感心しました。「鹿島教会の人たちだよ。」と答えると「ふーん、良かった。」と嬉しそうに答えてくれました。 鹿島幼稚園は、六十七年前に、まだ幼稚園の無かった鹿嶋の子どもたちの楽園をという鹿島教会メンバーの祈りの中で誕生しました。以来、鹿島教会は園の子どもたちが守られ、すくすくと育っていくことを願い、祈り続けています。教会は、毎週日曜午前十時三十分から日曜礼拝を守っていて、春のイースターや冬のクリスマス等には、子どもたちへのプレゼントも準備していますので、どなたでも、自由にご参加ください。 この一年も、祈りの中で、子どもたちは、ご家庭で、そして、園で、周りから愛情をたっぷり注がれて、それぞれの個性を生かしながら、豊かな発想のできる元気な子達に育ちました。これからも、自由に伸び伸び育っていけるよう、神様のお守りと導きを心から祈り続けています。 (一年間お読み頂き、ありがとうございました。園長:大塚 愼) 【2023年3月】 |
希望を蓄えて |
「僕ら、同志社大学聖歌隊で出会って、一路、二人で鹿島に直行し、それ以来六十六年間、彼女は『カナリア』と呼ばれ、朝から晩まで歌い続け『教会と幼稚園作り』に全力投球をしてきた。…」これは、先月、鹿島教会で守られた、青木昭子さんの召天一年記念礼拝に際して送られた鹿島幼稚園初代園長青木敬和牧師のメッセージの一部です。 「球根の中には 花が秘められ、さなぎの中から いのちはばたく。寒い冬の中 春はめざめる。その日、その時をただ神が知る。」『讃美歌21』五七五番より この讃美歌を作詞作曲したのは、アメリカ・メソジスト教会の牧師夫人、ナタリー・スリースさんです。 寒さの中、やがて来る春を待つ球根の中には、花が秘められているように、今は、内側に向かい力を蓄えることが大切な季節です。キリスト教を世界に伝えたパウロという人は、「あなた方は神様が天で『蓄えて』下さった希望に満たされることによって生き生きと過ごせるのだ」と語っています。 寒い毎日ですが、青木園長ご夫妻が愛情を注ぎ続けて下さった鹿島幼稚園の子ども達が、今も、神様の恵みである「希望」を心にたっぷりと蓄えながら元気に過ごせていることを感謝しています。そして、神様の恵みによって、胸一杯にため込んだ「希望」というパワーのおかげで、やがて来る春の日々には、それぞれが、元気いっぱいのステキな花を咲かせることが出来るのです。 【2023年2月】 |
喜びにあふれた |
あけまして、おめでとうございます。二〇二三年も、鹿島幼稚園に連なる各ご家庭と共に、神様に与えられた子育てという恵みを大切に担いたいと思います。教会のカレンダーでは、一月六日が、あの東方の博士たちが、幼な子イエスを訪ねた記念日とされています。聖書には、博士らが、幼な子の居場所を指し示す星を見て「喜びにあふれた」と記されています。 昨年は、ウクライナの悲しみと痛みの内に暮れました。戦争による被災者の上に、神様のお守りをお祈りします。鹿島教会では、ウクライナ支援の募金を続けていますが、園でも、クリスマス献金から支援への協力をいたしました。一方、国内では、東日本大震災からやがて十二年の時が経とうとしていますが、傷跡は、まだ多くの地域で残され、それを見る度に、被災者の方々は心を引き裂かれる思いでおられると思います。振り返って、私たちそれぞれの人生の歩みにも悲しみの道標が立てられています。それぞれの悲しみに、神様が寄り添って下さることを覚えて、心を強くしたいと思います。 子どもたちも、これから長い人生を生きていく中では、ときに心痛む出来事に出遭う事が有るかもしれません。しかし、その度に、神様がそばにいてくださること、そして、東方の博士たちを喜びに溢れさせた何よりも大きな救いのしるしを輝かせて下さったことを感謝し、新しい年を喜びに溢れつつ共に歩んで行きたいと思います。 【2023年1月】 |